授乳中に吐き気やめまいがする、ざわざわするなど気持ち悪い気分になったことはありませんか？
授乳は幸せな時間、穏やかな気持ちになるとイメージしていると、現実とのギャップに悩んでしまうかもしれません。
誰かに相談したくても、なかなか言いづらいこともあるでしょう。

このように授乳中に気持ち悪い気分になることをD-MERと呼びます。
今回は、D-MERについてわかりやすく・詳しくご紹介します。
授乳中の気分に悩んでいるママは参考にしてみてくださいね。

 

D-MERとは

近年、授乳中のママの間でD-MER（ディーマー）という言葉が知られるようになりました。
D-MERとは、不快性射乳反射のこと。
母乳による授乳中にママが感じる不快感を指す言葉です。

とくに母乳が出る数秒前に見られることが多く、突然吐き気やめまいがしたり、ざわざわ・ぞわぞわしたりするといわれています。
人によって感じ方は異なりますが、気持ち悪い気分になってしまうのです。
一般的には、90秒前後ほどで落ち着くとされ、長くても数分と考えられています。

これまで、D-MERが疑われるママはなかなか相談しづらく、ママ一人で悩みを抱えることも多かったです。
最近はSNSを中心に体験談などが広く投稿されるようになり、情報共有がしやすくなりました。

 

D-MERの原因

D-MERは、近年研究が進められています。
現在原因として考えられているのは、ホルモンの影響です。
なかでもドーパミンの低下の影響が大きいとされています。

ドーパミンは、幸せホルモンとして知られるホルモンです。
赤ちゃんがおっぱいを吸うと、母乳を生産するホルモンであるプロラクチンの血中濃度が上昇。
上昇とともに、脳内のドーパミンが一時的に低下します。

このドーパミンの低下によって、ママは気持ちが悪くなってしまうのです。
また、研究によって、産後3ヶ月までにD-MERの症状が軽減・消失することもわかっています。
もちろん、卒乳・断乳するまで続くママもいますが、次第に自分なりの対処法が見つかることが多いでしょう。

 

D-MERかもしれないときの対処法をご紹介

「D-MERかもしれない」と思ったときに、自分を責めてしまうママは多くいます。
ですが、D-MERはホルモンの変化に体が勝手に反応して起きるもの。
ママの気持ちが原因になることはありません。

たとえD-MERであっても、不快感と上手に付き合うことで授乳を続けることが可能です。
D-MERかもしれないときの対処法をご紹介します。

 

D-MERについて正しく知る

はじめに、D-MERについて正しく知りましょう。
大前提として、D-MERはホルモンが原因でありママは決して悪くありません。
ママの意思とはまったく関係なく、誰にでも起こる可能性があります。

ママとしての自覚が足りないわけでも、愛情がないわけでもないのです。
また、産後うつとの関係もないと考えられています。

D-MERはまだ知らない人も多く、ときに心無い言葉を言われてしまう可能性も。
ですが、何を言われてもママが悪いことは一切ありません。

 

信頼できる助産師に相談する

母乳外来や母乳育児相談室などを活用してみましょう。
さまざまなママと関わってきた助産師になら、症状やママの気持ちを素直に相談できるはずです。
育児用ミルクを使った混合授乳や断乳の進め方についても教えてもらうことができます。

D-MERについて情報発信をしているところを選ぶと、より気軽に相談しやすいでしょう。

 

ママが快適な環境をつくる

D-MERを改善する薬や治療は、現在ないとされています。
母乳による授乳を続けたいときには、授乳の環境を見直してみましょう。

D-MERに影響するものとして、ストレスが挙げられます。
ママ自身が快適に過ごせる環境で授乳をすることが第一です。
また、授乳中にじっと赤ちゃんを見つめる必要はありません。
好きなテレビを見たり音楽を聴いたり、ママが授乳から気を逸らせる環境にしても良いでしょう。

 

育児用ミルクを活用する

D-MERの症状がつらいときには、育児用ミルクを活用することもおすすめです。
母乳と組み合わせた混合授乳を選ぶママも多くいます。
母乳を断乳して、育児用ミルクだけで授乳をしてももちろんOK。

哺乳瓶を使って授乳をしても、赤ちゃんとママの愛着関係や信頼関係に影響はありません。
赤ちゃんの成長に悪い影響はないのです。
ママと赤ちゃんが快適に授乳時間を過ごせる方法を選びましょう。

 

授乳中の気持ち悪い気分は珍しいことではない

授乳中に気持ち悪い気分になるD-MERについてご紹介しました。

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